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Yang Zumao*; 村松 壽晴
JNC TN9400 2000-009, 81 Pages, 2000/02
原子炉構造物に熱疲労を与える温度成層化現象およびサーマルストライピング現象について、その熱流動上の特徴を把握することは、原子炉設計の観点から重要である。本研究では、核燃料サイクル開発機構で開発された多次元熱流動解析コードAQUAを用い、水,ナトリウム,鉛および炭酸ガスを冷却材として用いた場合の熱流動上の特徴を数値解析により抽出する。温度成層化現象については、リチャードソン数Riをパラメータとして合計8ケースを解析し、以下の結果を得た。(1)流体物性および計算初期条件は、同現象を支配する浮力、熱拡散などの効果に大きな影響を与える。(2)炭酸ガスを用いた場合の熱流動上の特徴は、この他の流体を用いた場合のそれらと大きな違いを示し、特に温度成層界面近傍における運動量および熱量の交換特性に関する差異が顕著である。サーマルストライピング現象については、同現象を特徴づける熱流動上の特徴の内、温度ゆらぎ振幅の空間分布特性についての評価を行い、以下の結果を得た。(1)高乱流条件である今回のサーマルストライピング解析結果は、前記の温度成層化現象で抽出された特徴と比較して、違いが認められた。(2)今後の温度ゆらぎ周波数の検討では、炭酸ガスを冷却材に用いた場合に低流速領域での特徴把握に、その他の冷却材を用いた場合に剪断流領域での特徴把握に注意を払う必要がある。
村松 壽晴; 村田 正幸*
PNC TN9410 92-106, 354 Pages, 1992/04
高速増殖型炉「もんじゅ」の性能試験期間中の炉心構成条件を対象として,定格負荷運転状態からの自然循環移行過程の解析を単相多次元コードAQUAを用いて行った。ここでの解析の目的は,AQUAコードが持つ最新オプション(高次差分法,応力代数式乱流モデル,ファジィ適応制御手法等)を用いた詳細3次元解析を行って,自然循環試験を実施するに当たっての熱流動現象上の留意事項あるいは知見等を摘出することにある。得られた結果は,以下の通りである(1) 自然循環試験開始前の定格負荷運転状態を模擬した解析では,定常的に大きな軸方向温度勾配(154/m)を持つ温度成層化現象が上下フローホール間で計算された。この定格負荷運転状態での温度成層化現象は,自然循環試験そのものとは直接的な関連は無いものの,炉内構造物に有意な熱応力を定常的に与える可能性がある。従って,出力上昇試験期間中の各原子炉出力状態においては,上部プレナム内に装荷が予定されている軸方向温度分布測定用プラグにより,当該領域に発生する温度成層化現象を的確に測定・評価する必要がある。(2) 原子炉スクラム後の自然循環移行過渡状態を模擬した解析より,温度成層化現象の発生によって上部プレナム内の有効混合容積が著しく狭められること,また上部プレナム内での局所渦の再配置によって原子炉出口配管部での温度降下過程に不連続挙動(コールドショックに続くホットショック)が発生すること等が明らかとなった。上記項目は,自然循環試験の成立性を判断するための1指標である系統熱過渡特性に直接影響を与えることから,出力上昇試験期間中の各種試験(中間出力状態からの手動トリップあるいは自然循環等の試験)から得られる測定データを用いた詳細な評価・検討が必要である。(3) 原子炉出口配管部における熱過渡の内,温度降下幅についてはAQUAコードによる結果が1次元動特性コードによる結果を上回るものの,温度降下率はAQUAコードの方が小さい
村松 壽晴
PNC TN9410 90-147, 115 Pages, 1990/10
大洗工学センター技術開発部プラント工学室で設計研究が進められている大型炉について、内筒設置の是非に関する検討を手動トリップ事象を対象とした熱流動解析により実施した。検討の対象とした熱流動特性は、温度成層化現象,系統熱過渡特性,周方向温度分布特性および液面近傍流速特性の4項目である。多次元コードAQUAによる3次元解析を分析した結果、以下の結論が得られた。(1) 温度成層化現象に関しては、内筒有無による現象への影響は小さい。また、発生する軸方向温度分布の継続時間が短く、構造健全性上問題となるとは考え難い。したがって、本現象は、内筒設置の是非に関して制限を与えないと考えられる。(2) 系統熱過渡特性に関しては、内筒を設置しない場合最大約-2.0/sのコールドショックを与えるため、内筒を設置する方が望ましい。(3) 周方向温度分布特性に関しては、内筒有無による現象への影響は小さい。また、発生する周方向温度分布の継続時間が短いことから、構造健全性上の問題は小さいと予想される。したがって、内筒設置の是非に関しては制限を与えないと考えられる。(4) 液面近傍流速特性に関しては、内筒は設置しない方が望ましい。以上より、系統熱過渡特性の観点から、内筒が必要と結論付けられるが、この特性が何らかの設計上の工夫(例えば、有効混合容積の増加)により改善できれば、内筒の設置は構造設計成立の必要条件とは成らないと判断される。